[行列解析4.4.P10]等方ベクトルから作られる対称行列のジョルダン標準形

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.4.P10

4.4.問題10

\(n > 1\) で \(v \in \mathbb{C}^n\) が非零の等方ベクトルである場合、対称行列\(A = vv^{\top}\) が対角化できない理由は?
そのジョルダン標準形は?

ヒント

\(v\) が等方ベクトルであるとは \(v^{\top}v=0\) を満たすことである。

まず \(A^2\) を計算し、次に \(\operatorname{rank}(A)\) を調べる。

解答例

\(A=vv^{\top}\) とおくと、

A^2=(vv^{\top})(vv^{\top})=v(v^{\top}v)v^{\top}

となる。

\(v\) は等方ベクトルであるから、

v^{\top}v=0

である。したがって、

A^2=0

となるので、\(A\) は零ではない冪零行列である。

また、\(v\neq0\) であるから、

\operatorname{rank}(A)=1

である。

もし \(A\) が対角化可能ならば、固有値はすべて \(0\) であるため、対角化後の対角行列は零行列となる。しかし、その場合は \(A=0\) となり、\(\operatorname{rank}(A)=1\) に矛盾する。

したがって、\(A\) は対角化できない。

さらに、\(A^2=0\) であるから、ジョルダンブロックの大きさは高々2である。

一方、\(\operatorname{rank}(A)=1\) であるため、大きさ2のジョルダンブロックはちょうど1個存在し、それ以外は大きさ1の零ジョルダンブロックである。

したがって、\(A\) のジョルダン標準形は

J_2(0)\oplus0_{n-2}

となる。

[行列解析4.4]ユニタリ合同と複素対称行列
この節の目次4.4.2 補題4.4 ユニタリ合同と複素対称行列複素エルミート行列と複素対称行列は、ともに複素平面における単位円板の解析写像の研究に現れる。もし \( f \) が単位円板上の複素解析関数で、正規化条件 \( f(0) = 0...


行列解析の総本山

総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました