4.3.問題17
4.3.P17
\( A = [a_{ij}] \in M_n \) がエルミートかつ三重対角行列であり、各 \( i = 1,\ldots ,n-1 \) に対して \( a_{i,i+1} \neq 0 \) と仮定する(このとき \( A \) は縮約されない (0.9.9) であり、またエルミートなので既約 (6.2.22) でもある)。この問題では、相補不等式 (4.3.18) がすべて厳密不等式であることの2つの証明と、\( A \) が相異なる固有値を持つことの3つの証明を与える。
(a) \( x=[x_i] \) を \( A \) の固有ベクトルとする。\( x_n \neq 0 \) を示せ。
(b) \(\hat{A}\) を \( A \) の \( (n-1)\times(n-1) \) の主小行列とする。(4.3.17) の等号成立条件を用いて、\( A \) と \(\hat{A}\) の固有値に関する相補不等式 (4.3.18) がすべて厳密不等式となることを示せ。
(c) (b) から、\( A \) が相異なる固有値を持つことを導け。
(d) (1.4.P11) を用いて、別の方法で \( A \) が相異なる固有値を持つことを示せ。
(e) \( p_k(t) \) を \( A \) の左上 \( k\times k \) 主小行列の特性多項式とし、\( p_0(t)=1 \) とする。このとき、\( p_1(t)=t-a_{11} \)、さらに \( k=2,\ldots,n \) に対して
p_k(t) = (t-a_{kk})p_{k-1}(t) - |a_{k-1,k}|^2 p_{k-2}(t)
を示せ。
(f) (e) を用いて、\( A \) と \(\hat{A}\) の固有値に関する相補不等式 (4.3.18) がすべて厳密不等式であることを示し、\( A \) が相異なる固有値を持つことを導け。
行列解析の総本山

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