3.4.P3
3.4.問題3
与えられた \(A \in M_n\) に対して、中心化代数 \(C(A)=\{B \in M_n : AB=BA\}\) を考える。これは \(A\) と可換な行列全体の集合である。
\(J \in M_{13}\) を(3.1.16a)の行列とする。
(3.1.16a)
\begin{align}
J =
& J_3(0) \oplus J_3(0) \notag \\
& \quad \oplus J_2(0) \oplus J_2(0) \oplus J_2(0) \notag \\
& \quad \quad \oplus J_1(0) \notag
\end{align}(a) (3.4.2.7)を用いて \(\dim C(J)=65\) であることを示せ。
(3.4.2.7)
N =
\begin{bmatrix}
B & * & * & * \\
C & F & * & * \\
D & E & B & * \\
G & 0 & C & F \\
* & * & D & E \\
* & * & G & B
\end{bmatrix}
(b) 次を示せ:
w_1(J,0)^2 + w_2(J,0)^2 + w_3(J,0)^2 = 65
ヒント
零固有値のジョルダンブロックのサイズを並べ、その個数から \(w_k(J,0)\) を求める。中心化代数の次元はブロック間の写像の自由度の和であり、結果として \(\sum w_k^2\) に一致することを用いる。
解答例
与えられた行列は
J = J_3(0) \oplus J_3(0) \oplus J_2(0) \oplus J_2(0) \oplus J_2(0) \oplus J_1(0)
である。
(a) 各サイズごとのブロック数から
w_1(J,0) = 6,\quad w_2(J,0) = 5,\quad w_3(J,0) = 2
が得られる。ここで \(w_k(J,0)\) はサイズが \(k\) 以上のジョルダンブロックの個数である。
(3.4.2.7) によれば、中心化代数の次元は
\dim C(J) = \sum_{k \geq 1} w_k(J,0)^2
で与えられる。したがって
\dim C(J) = 6^2 + 5^2 + 2^2 = 36 + 25 + 4 = 65
となる。
(b) 上で求めた値を用いれば、
w_1(J,0)^2 + w_2(J,0)^2 + w_3(J,0)^2 = 6^2 + 5^2 + 2^2 = 65
となり、(a) と一致する。
以上より、求める等式が成り立つ。

[行列解析3.4]3.4 実ジョルダン標準形とウェイア標準形
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