[行列解析3.3.P7]ABとBAの最小多項式と特性多項式

3.標準形と三角因子分解

3.3.P7

3.3 問題7

次の行列を考える:

A = \begin{bmatrix} 0 & 0 \\ 1 & 0 \end{bmatrix}, \quad
B = \begin{bmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 1 \end{bmatrix}

これを用いて、\( AB \) と \( BA \) の最小多項式が必ずしも同じでないことを示せ。しかし、\( C, D \in M_n \) のとき、なぜ \( CD \) と \( DC \) の特性多項式は必ず同じになるのかを説明せよ。

ヒント

まず具体的に \( AB \) と \( BA \) を計算し、それぞれの冪を調べて最小多項式を求める。その後、特性多項式については \( \det(I-tCD)=\det(I-tDC) \) を用いる。

解答例

与えられた行列は

A=\begin{bmatrix}0&0\\1&0\end{bmatrix},\quad
B=\begin{bmatrix}0&0\\0&1\end{bmatrix}

まず積を計算する。

AB=\begin{bmatrix}0&0\\0&0\end{bmatrix},\quad
BA=\begin{bmatrix}0&0\\1&0\end{bmatrix}

したがって

(AB)^2=0,\quad BA^2=0

特に \( AB=0 \) であるから最小多項式は \( t \) である。一方 \( BA\neq 0 \) であり、しかし \( (BA)^2=0 \) なので最小多項式は \( t^2 \) である。

よって \( AB \) と \( BA \) の最小多項式は一致しない。

次に一般に \( C,D\in M_n \) とする。

特性多項式は \( p_{CD}(t)=\det(tI-CD) \) で与えられるが、行列式の性質より

\det(I-tCD)=\det(I-tDC)

が成り立つ。

したがって \( \det(tI-CD)=\det(tI-DC) \) となり、\( CD \) と \( DC \) の特性多項式は一致する。


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