[行列解析4.4.P6]2×2行列に対する \(A\overline{A}\) の固有値判定

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.4.P6

4.4.問題6

行列 \(A \in M_2\) を (4.4.5) の記法で表す。

(a) \(A\overline{A}\) が 2 つの非実共役固有値を持つことは
\(-2|\det A| \lt \mathrm{tr}(A\overline{A}) \lt 2|\det A|\)
と同値である。

(b) \(A\overline{A}\) が 2 つの負の実固有値を持つことは
\(\mathrm{tr}(A\overline{A}) \le -2|\det A| \lt 0\)
と同値である。

ヒント

\(A\overline{A}\) の特性多項式を求め、その判別式とトレースの符号から固有値の種類を判定する。

解答例

\(A\in M_2\) とする。このとき、\(A\overline{A}\) の特性多項式は

p(t)
=
t^2-\operatorname{tr}(A\overline{A})t+|\det A|^2

である。また、その判別式は

\Delta
=
(\operatorname{tr}(A\overline{A}))^2
-
4|\det A|^2

となる。

(a)

\(A\overline{A}\) が 2 つの非実共役固有値をもつことと、判別式が負であることは同値である。したがって、

(\operatorname{tr}(A\overline{A}))^2
\lt;
4|\det A|^2

となる。両辺の平方根をとれば、

-2|\det A|
\lt
\operatorname{tr}(A\overline{A})
\lt
2|\det A|

を得る。したがって、題意が従う。

(b)

\(A\overline{A}\) が 2 つの負の実固有値をもつためには、判別式が非負であり、さらに固有値の和が負、積が正でなければならない。

すなわち、

(\operatorname{tr}(A\overline{A}))^2
\ge
4|\det A|^2,
\qquad
\operatorname{tr}(A\overline{A})\lt;0

が成り立つ。

この 2 条件はまとめて、

\operatorname{tr}(A\overline{A})
\le
-2|\det A|
\lt
0

と書ける。

逆に、この不等式が成り立てば判別式は非負であり、固有値の和は負、積は \( |\det A|^2>0 \) であるから、2 つの固有値はいずれも負の実数である。

したがって、(b) の主張も示された。

[行列解析4.4]ユニタリ合同と複素対称行列
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