[行列解析3.3.P12]特性多項式一致と相似性の判定

3.標準形と三角因子分解

3.3.P12

3.3 問題12

\(A,B\in M_n\) とし、\(p_A(t)=p_B(t)=q_A(t)=q_B(t)\) が成り立つと仮定する。

なぜこのとき \(A\) と \(B\) は相似であるかを説明せよ。

また、この事実を用いて、先の問題で述べたコンパニオン行列の別形はすべて (3.3.12) に相似であることを示せ。

(3.3.12)
A =
\begin{bmatrix}
0 &           &            &    & -a_0       \\
1 & 0        &            &    & -a_1       \\
   & 1        & \ddots &    & \vdots    \\
   &           & \ddots & 0 & -a_{n-2} \\
0 &           &            & 1 & -a_{n-1} 
\end{bmatrix} \in M_n

ヒント

最小多項式 \( q_A(t) \) が特性多項式 \( p_A(t) \) に一致する場合、行列は巡回行列(コンパニオン行列に相似)となる。

このとき同じ多項式をもつ行列同士は同一の標準形をもち、したがって相似となる。

解答例

仮定より、\( A,B \in M_n \) は \( p_A(t)=p_B(t)=q_A(t)=q_B(t) \) を満たす。

一般に、最小多項式が特性多項式と一致する行列は巡回ベクトルをもつ。このとき、適当な基底を取ると、その行列は対応する多項式のコンパニオン行列に相似となる。

したがって、\( A \) と \( B \) はともに同じ多項式 \( p(t)=t^n+a_{n-1}t^{n-1}+\cdots+a_0 \) のコンパニオン行列に相似である。ゆえに、

A \sim C(p), \quad B \sim C(p)

となるので、推移律より \( A \sim B \) が従う。

次に、この事実をコンパニオン行列の別形に適用する。前問で得られた \( A_2, A_3, A_4 \) はいずれも元の行列 \( A \) と同じ特性多項式 \( p(t) \) をもち、かつ巡回性を保つため最小多項式も \( p(t) \) に一致する。

したがって、 \( p_{A_i}(t)=q_{A_i}(t)=p(t) \quad (i=2,3,4) \) であるから、各 \( A_i \) はコンパニオン行列 \( A \) と相似である。

A_2 \sim A, \quad A_3 \sim A, \quad A_4 \sim A

以上より、コンパニオン行列のこれらの別形はすべて互いに相似であり、特に (3.3.12) の形に相似であることが示された。


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