8.1.31系:正の固有ベクトルをもつ非負行列のスペクトル半径の表現
\( A = [a_{ij}] \in M_n \) を非負行列とする。もし \( A \) が正の固有ベクトルをもつならば、次が成り立つ。
8.1.32
\rho(A)
= \max_{x \gt 0} \min_{1 \le i \le n} \frac{1}{x_i} \sum_{j=1}^{n} a_{ij} x_j
= \min_{x \gt 0} \max_{1 \le i \le n} \frac{1}{x_i} \sum_{j=1}^{n} a_{ij} x_j
これは、正の固有ベクトルをもつ非負行列のスペクトル半径 \( \rho(A) \) を、 行の重み付き和に関する最小値および最大値の変分原理として表現したものである。
演習.
上の系を証明せよ。ヒント:式 (8.1.27) において正の固有ベクトル \( x \) を用いること。
行列解析の総本山

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

  
  
  
  
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