[行列解析4.4.P12]複素正方行列が転置行列と相似であることの証明

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.4.P12

4.4.問題12

定理4.4.24

各 \( A \in M_n \) は、ある複素対称行列に相似である。

(定理4.4.24) から、任意の正方複素行列はその転置と相似であることを導け。

ヒント

定理4.4.24より、任意の複素正方行列 \(A\) はある複素対称行列 \(S\) に相似である。

つまり、ある正則行列 \(P\) が存在して \(A=P S P^{-1}\) と書ける。

ここで \(S\) が対称であることから \(S^{\top}=S\) を用いて \(A^{\top}\) を計算すれば、\(A^{\top}\) も \(S\) に相似であることが分かる。

解答例

定理4.4.24より、任意の \(A\in M_n\) に対して、ある複素対称行列 \(S\in M_n\) と正則行列 \(P\in M_n\) が存在し、

A=PSP^{-1}

と書ける。ここで \(S\) は対称行列なので、

S^{\top}=S

である。したがって、\(A=PSP^{-1}\) の両辺を転置すると、

A^{\top}
=(PSP^{-1})^{\top}
=(P^{-1})^{\top}S^{\top}P^{\top}
=(P^{-1})^{\top}SP^{\top}
=(P^{\top})^{-1}SP^{\top}

を得る。ここで \(P\) が正則であるから \(P^{\top}\) も正則であり、\((P^{-1})^{\top}=(P^{\top})^{-1}\) を用いた。

したがって、\(A^{\top}\) は \(S\) に相似である。

一方、もともと \(A=PSP^{-1}\) であるから、\(A\) も \(S\) に相似である。よって相似関係の推移性から、

A\sim S\sim A^{\top}

となる。以上より、任意の正方複素行列 \(A\) はその転置行列 \(A^{\top}\) と相似である。

[行列解析4.4]ユニタリ合同と複素対称行列
この節の目次4.4.2 補題4.4 ユニタリ合同と複素対称行列複素エルミート行列と複素対称行列は、ともに複素平面における単位円板の解析写像の研究に現れる。もし \( f \) が単位円板上の複素解析関数で、正規化条件 \( f(0) = 0...


行列解析の総本山

総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました