[行列解析3.4.P2]中心化代数が代数となる理由

3.標準形と三角因子分解

3.4.P2

3.4.問題2

与えられた \(A \in M_n\) に対して、中心化代数 \(C(A)=\{B \in M_n : AB=BA\}\) を考える。これは \(A\) と可換な行列全体の集合である。

なぜ \(C(A)\) が代数になるのかを説明せよ。

ヒント

代数であることを示すには、和・スカラー倍・積に関して閉じていること、および単位元を含むことを確認すればよい。可換性の条件 \(AB=BA\) を用いて、それぞれが保たれることを計算で確かめる。

解答例

\(A \in M_n\) に対して

C(A)=\{B \in M_n : AB=BA\}

と定める。このとき \(C(A)\) が代数であることを示す。

まず、\(B_1,B_2 \in C(A)\) とする。このとき

A(B_1+B_2)=AB_1+AB_2=B_1A+B_2A=(B_1+B_2)A

が成り立つので、\(B_1+B_2 \in C(A)\) である。

次に、任意のスカラー \(\lambda\) に対して

A(\lambda B_1)=\lambda AB_1=\lambda B_1A=(\lambda B_1)A

が成り立つので、\(\lambda B_1 \in C(A)\) である。

さらに、積についても

A(B_1B_2)=(AB_1)B_2=(B_1A)B_2=B_1(AB_2)=B_1(B_2A)=(B_1B_2)A

となるので、\(B_1B_2 \in C(A)\) である。

最後に単位行列 \(I\) については

AI=IA

が明らかに成り立つので、\(I \in C(A)\) である。

以上より、\(C(A)\) は和・スカラー倍・積について閉じており単位元を含むため、行列代数 \(M_n\) の部分代数である。

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