[行列解析3.2.P15]直和行列の相似性と部分行列の相似条件

3.標準形と三角因子分解

3.2.P15

3.2問題15

\( A \in M_n \)、\( B, C \in M_m \) が与えられたとする。\( A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B) \)(\( k \) 個の直和)と \( A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C) \)(\( k \) 個の直和)が相似であるのは、\( B \) と \( C \) が相似である場合に限ることを示せ。

ヒント

直和行列の相似性はジョルダン標準形や不変量(固有値の重複度など)によって特徴づけられる。 \( A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B) \) と \( A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C) \) が相似であれば、これらは同じジョルダン標準形をもつ。

このとき、両者には共通部分として \( A \) が含まれているため、それを取り除いた部分の構造も一致する必要がある。 したがって \( B \) が \( k \) 個並んだ部分と \( C \) が \( k \) 個並んだ部分が相似になり、そこから \( B \) と \( C \) 自身が相似であることが従う。

解答例

まず、\( B \) と \( C \) が相似であると仮定する。すなわち、ある正則行列 \( P \) が存在して \( C = P^{-1}BP \) が成り立つとする。

C = P^{-1} B P

このとき、ブロック対角行列 \( I_n \oplus (P \oplus \cdots \oplus P) \) を考えると、直和の性質より次が成り立つ。

(I_n \oplus (P^{-1} \oplus \cdots \oplus P^{-1}))
(A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B))
(I_n \oplus (P \oplus \cdots \oplus P))
=
A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C)

したがって \( A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B) \) と \( A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C) \) は相似である。

次に逆を示す。 \( A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B) \) と \( A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C) \) が相似であると仮定する。

相似な行列は同じジョルダン標準形をもつので、両者のジョルダンブロック構造は一致する。 ここで直和分解を考えると、両行列はそれぞれ

A \oplus \underbrace{B \oplus \cdots \oplus B}_{k}

および

A \oplus \underbrace{C \oplus \cdots \oplus C}_{k}

というブロック対角構造をもつ。

両者のジョルダン標準形が一致するためには、共通部分である \( A \) に対応するジョルダンブロックを取り除いた残りの部分も一致しなければならない。 したがって

B \oplus \cdots \oplus B
\sim
C \oplus \cdots \oplus C

が成り立つ。

このとき、各ジョルダンブロックは \( k \) 回ずつ現れるため、1つ分のブロック構造も一致することになる。 したがって \( B \) と \( C \) は同じジョルダン標準形をもち、

B \sim C

が従う。

以上より

A \oplus (B \oplus \cdots \oplus B)
\sim
A \oplus (C \oplus \cdots \oplus C)
\quad \Longleftrightarrow \quad
B \sim C

が成り立つことが示された。


行列解析の総本山

総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました