[行列解析4.3.P4]エルミート行列の順序と固有値の単調性

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.3.P4

4.3.問題4

\(A, B \in M\_n\) がエルミートで、かつ \(A-B\) が非負の固有値しか持たないとする。このとき、すべての \(i = 1, \ldots, n\) に対して \(\lambda_i(A) \geq \lambda_i(B)\) が成り立つ理由を説明せよ。

ヒント

条件 \( A-B \) が非負の固有値しか持たないとは、\( A-B \) が半正定値であることを意味する。 ヴェイアの定理において、行列 \( A = B + (A-B) \) とみなし、 固有値の評価 \( \lambda_i(B+C) \geq \lambda_i(B) + \lambda_1(C) \) を用いるとよい。 ここで \( C = A-B \) とおく。

解答例

仮定より、\( A-B \) はエルミートであり、その固有値はすべて非負である。 したがって \( \lambda_1(A-B) \geq 0 \) が成り立つ。

ここで \( A = B + (A-B) \) と表す。 ヴェイアの定理より

\lambda_i(B + (A-B)) \geq \lambda_i(B) + \lambda_1(A-B)

が成り立つ。

左辺は \( \lambda_i(A) \) に等しいので、

\lambda_i(A) \geq \lambda_i(B) + \lambda_1(A-B)

を得る。

さらに \( \lambda_1(A-B) \geq 0 \) であるから、

\lambda_i(A) \geq \lambda_i(B)

が従う。

したがって、すべての \( i=1,\ldots,n \) に対して \( \lambda_i(A) \geq \lambda_i(B) \) が成り立つ。

[行列解析4.3]エルミート行列に関する固有値の不等式
この節の目次4.3.1 定理(ヴェイアの定理)4.3.3 系4.3.5 系4.3.7 系4.3.9 系4.3.12 系4.3.15 系4.3.17 定理(Cauchy)4.3.21 定理4.3.26 定理4.3.28 定理4.3.34 系4...


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