4.3.P3
4.3.問題3
\(A, B \in M\_n\) がエルミートであり、その固有値が (4.2.1) のように並べられているとする。
(4.2.1)
\lambda_{\min} = \lambda_1 \leq \lambda_2 \leq \cdots \leq \lambda_{n-1} \leq \lambda_n = \lambda_{\max} このとき、次が成り立つ理由を説明せよ。
\lambda_i(A+B) \leq \min \{ \lambda_j(A) + \lambda_k(B) : j+k=i+n \}, \quad i \in \{1,\ldots,n\}
ヒント
ヴェイアの定理 \( \lambda_i(A+B) \leq \lambda_{i+j}(A) + \lambda_{n-j}(B) \) において、添字の関係 \( j+k=i+n \) を満たすように \( j=i+j \), \( k=n-j \) と置き換えることで、すべての組に対する上界が得られる。 その中で最小値を取ればよい。
解答例
ヴェイアの定理より、任意の \( j=0,1,\ldots,n-i \) に対して
\lambda_i(A+B) \leq \lambda_{i+j}(A) + \lambda_{n-j}(B)
が成り立つ。 ここで添字を \( j_1 = i+j \), \( k_1 = n-j \) とおくと、
j_1 + k_1 = (i+j) + (n-j) = i+n
が成り立つ。
また \( j=0,1,\ldots,n-i \) を動かすと、 \( j_1=i,\ldots,n \), \( k_1=n,\ldots,i \) をすべて取り尽くす。 したがって、条件 \( j+k=i+n \) を満たすすべての組 \( (j,k) \) に対して
\lambda_i(A+B) \leq \lambda_j(A) + \lambda_k(B)
が成り立つ。
したがって、それらの最小値を取ることで
\lambda_i(A+B) \leq \min \{ \lambda_j(A) + \lambda_k(B) : j+k=i+n \}
が従う。

[行列解析4.3]エルミート行列に関する固有値の不等式
この節の目次4.3.1 定理(ヴェイアの定理)4.3.3 系4.3.5 系4.3.7 系4.3.9 系4.3.12 系4.3.15 系4.3.17 定理(Cauchy)4.3.21 定理4.3.26 定理4.3.28 定理4.3.34 系4...
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[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
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