[行列解析4.1.P26]エルミート射影のユニタリ標準形

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.1.P26

4.1.問題26

エルミート行列 \(P \in M_n\) が射影であることと、あるユニタリ行列 \(U \in M_n\) が存在して

P = U (I_k \oplus 0_{n-k}) U^{*}, \quad 0 \leq k \leq n

が成り立つことは同値であることを示せ。

ヒント

エルミートかつ射影である行列 \(P\) は固有値が \(0\) または \(1\) に限られる。したがって、ユニタリ対角化により \(P\) は \(I_k \oplus 0\) の形に相似となる。逆に、そのような形の行列は明らかにエルミートかつ射影である。

解答例

まず、\(P\) がエルミート射影であるとする。すなわち \(P^2 = P\) かつ \(P^* = P\) が成り立つ。

P^2 = P, \quad P^* = P

このとき、固有値 \(\lambda\) に対して \(\lambda^2 = \lambda\) が成り立つので、\(\lambda = 0\) または \(\lambda = 1\) である。また、エルミート行列であるため、ユニタリ行列 \(U\) が存在して \(P\) は対角化できる。

P = U \Lambda U^*

ここで \(\Lambda\) は対角行列であり、その対角成分はすべて \(0\) または \(1\) である。よって、ある整数 \(k\) に対して

\Lambda = I_k \oplus 0_{n-k}

と書ける。したがって

P = U (I_k \oplus 0_{n-k}) U^*

が成り立つ。

逆に、あるユニタリ行列 \(U\) に対して

P = U (I_k \oplus 0_{n-k}) U^*

と書けるとする。このとき、\(I_k \oplus 0_{n-k}\) は明らかにエルミートかつ射影であるので

(I_k \oplus 0)^* = I_k \oplus 0, \quad (I_k \oplus 0)^2 = I_k \oplus 0

ユニタリ相似により性質は保存されるから

P^* = P, \quad P^2 = P

が従う。よって \(P\) はエルミート射影である。

以上より、\(P\) がエルミート射影であることと、あるユニタリ行列 \(U\) により \(P = U (I_k \oplus 0_{n-k}) U^*\) と表されることは同値である。

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