[行列解析3.3.P25]同伴行列の逆行列と特性多項式

3.標準形と三角因子分解

3.3.P25

3.3 問題25

(3.3.12)
A =
\begin{bmatrix}
0 &           &            &    & -a_0       \\
1 & 0        &            &    & -a_1       \\
   & 1        & \ddots &    & \vdots    \\
   &           & \ddots & 0 & -a_{n-2} \\
0 &           &            & 1 & -a_{n-1} 
\end{bmatrix} \in M_n

\( a_0 \neq 0 \) の場合、(3.3.12) の同伴行列 \( A \) の逆行列が次の形で表されることを示しなさい。

(3.3.18)
A^{-1} =
\begin{bmatrix}
-\tfrac{a_1}{a_0} & 1 & 0 & \cdots & 0 \\
-\tfrac{a_2}{a_0} & 0 & 1 & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
-\tfrac{a_{n-1}}{a_0} & 0 & 0 & \cdots & 1 \\
-\tfrac{1}{a_0} & 0 & 0 & \cdots & 0
\end{bmatrix}

さらに、その特性多項式が次の式で表されることを示しなさい。

t^n + \tfrac{a_1}{a_0} t^{n-1} + \cdots + \tfrac{a_{n-1}}{a_0} t + \tfrac{1}{a_0}
= \tfrac{t^n}{a_0} \, p_A(t^{-1})
\tag{3.3.19}

ヒント

同伴行列 \( A \) の列ベクトルに対する作用を調べ、標準基底ベクトルへの写像を考えると逆行列の形が決まる。また、特性多項式については \( A^{-1} \) の固有値が \( A \) の固有値の逆数であることを用いるとよい。

解答例

まず \( a_0 \neq 0 \) とする。このとき同伴行列 \( A \) は正則である。標準基底 \( e_1,\ldots,e_n \) に対する作用を調べると、

A e_1 = e_2,\quad
A e_2 = e_3,\quad \ldots,\quad
A e_{n-1} = e_n,

および

A e_n = -a_0 e_1 - a_1 e_2 - \cdots - a_{n-1} e_n

が成り立つ。これを逆に解くと、

e_1 = -\frac{1}{a_0} A e_n - \frac{a_1}{a_0} e_2 - \cdots - \frac{a_{n-1}}{a_0} e_n

より、\( A^{-1} \) の作用は

A^{-1} e_1 = -\frac{a_1}{a_0} e_1 - \frac{a_2}{a_0} e_2 - \cdots - \frac{a_{n-1}}{a_0} e_{n-1} - \frac{1}{a_0} e_n,

および

A^{-1} e_2 = e_1,\quad
A^{-1} e_3 = e_2,\quad \ldots,\quad
A^{-1} e_n = e_{n-1}

となる。したがって \( A^{-1} \) は

A^{-1} =
\begin{bmatrix}
-\tfrac{a_1}{a_0} & 1 & 0 & \cdots & 0 \\
-\tfrac{a_2}{a_0} & 0 & 1 & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
-\tfrac{a_{n-1}}{a_0} & 0 & 0 & \cdots & 1 \\
-\tfrac{1}{a_0} & 0 & 0 & \cdots & 0
\end{bmatrix}

となる。

次に特性多項式を求める。\( A \) の固有値を \( \lambda \) とすると、\( A^{-1} \) の固有値は \( \lambda^{-1} \) である。したがって \( A \) の特性多項式を \( p_A(t) \) とすると、

p_A(t) = t^n + a_{n-1} t^{n-1} + \cdots + a_0

より、\( A^{-1} \) の特性多項式は

t^n + \tfrac{a_1}{a_0} t^{n-1} + \cdots + \tfrac{a_{n-1}}{a_0} t + \tfrac{1}{a_0}
= \tfrac{t^n}{a_0} \, p_A(t^{-1})

と表される。以上で示された。

[行列解析3.3]最小多項式とコンパニオン行列
3.3 この節の目次3.3.13.3.2 正方行列の最小多項式3.3.3 系3.3.4 系3.3.63.3.83.3.103.3.13 コンパニオン行列3.3.143.3.153.3問題集3.3.P13.3.P23.3.P33.3.P43....

行列解析の総本山

総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました