[行列解析3.2.P22]Drazin逆行列による射影行列の性質

3.標準形と三角因子分解

3.2.P22

3.2問題22

\(A\in M_n\) に対して、\(A A^D\) と \(I-A A^D\) が射影(projection)であり、かつ \(A A^D(I-A A^D)=0\) であることを示せ。

ヒント

行列 \(A\) の Drazin 逆行列 \(A^D\) は \(A^kA^D=A^DA^k\), \(A^DAA^D=A^D\) などの性質を満たす。これらを用いて \((AA^D)^2\) と \((I-AA^D)^2\) を計算すると、それぞれ自分自身に等しいことが分かる。さらに積 \(AA^D(I-AA^D)\) を直接計算すると零行列になる。

解答例

行列 \(A\in M_n\) の Drazin 逆行列を \(A^D\) とする。このとき Drazin 逆行列の基本性質として

A^DAA^D=A^D

が成り立つ。

まず行列 \(AA^D\) が射影であることを示す。積を計算すると

(AA^D)^2
=AA^DAA^D
=A(A^DAA^D)
=AA^D

となる。したがって \( (AA^D)^2=AA^D \) であり、\(AA^D\) は射影行列である。

次に \(I-AA^D\) について同様に計算すると

(I-AA^D)^2
=I-2AA^D+(AA^D)^2
=I-2AA^D+AA^D
=I-AA^D

となる。よって \( (I-AA^D)^2=I-AA^D \) であり、これも射影行列である。

最後に両者の積を計算すると

AA^D(I-AA^D)
=AA^D-(AA^D)^2
=AA^D-AA^D
=0

となる。したがって \(AA^D\) と \(I-AA^D\) は射影であり、さらに \(AA^D(I-AA^D)=0\) が成り立つ。


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