[行列解析4.1.P15]エルミート行列に相似な条件

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.1.P15

4.1.問題15

\(A \in M_n\) がエルミート行列に相似であることは、対角化可能であり、固有値が実数であることと同値である理由を説明せよ。

追加の同値条件については (7.6.P1) を参照。

ヒント

エルミート行列はユニタリ対角化可能であり、その固有値はすべて実数である。一方、相似変換は固有値を保存することに注意する。逆に、対角化可能で固有値がすべて実数である場合には、適切な基底をとることでエルミート行列に相似であることを示す。

解答例

まず、\(A\) がエルミート行列に相似であると仮定する。すなわち、ある可逆行列 \(S\) とエルミート行列 \(H\) が存在して

A = S H S^{-1}

が成り立つ。このとき、\(H\) はエルミートであるからユニタリ行列 \(U\) により対角化され、

H = U D U^*

と書ける。ただし、\(D\) は実数を対角成分にもつ対角行列である。したがって

A = S U D U^* S^{-1}

となり、\(A\) は対角化可能であり、その固有値は \(D\) の対角成分、すなわちすべて実数である。

次に逆を示す。\(A\) が対角化可能であり、固有値がすべて実数であると仮定する。このとき、ある可逆行列 \(S\) と実対角行列 \(D\) が存在して

A = S D S^{-1}

と書ける。ここで \(D\) は明らかにエルミート行列である(対角成分が実数であるため)。したがって、\(A\) はエルミート行列 \(D\) に相似である。

以上より、\(A\) がエルミート行列に相似であることと、\(A\) が対角化可能であり固有値がすべて実数であることは同値である。

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