[行列解析3.2.P34]可逆行列と可換な行列の正規性の証明

3.標準形と三角因子分解

3.2.P34

3.2問題34

\( A, B \in M_n \) とする。\( A \) が非退化であり、かつ \( B \) が \( A \) と \( A^* \) の両方と可換であると仮定する。

このとき \( B \) が正規であることを示せ。

ヒント

仮定より \( AB=BA \) および \( A^*B=BA^* \) が成り立つ。ここで \( A \) は非退化であるから逆行列 \( A^{-1} \) が存在する。

この可換関係を随伴に関して考えると、\( B^* \) と \( A \)、\( A^* \) の可換関係も得られる。これらを組み合わせることで、\( BB^* \) と \( B^*B \) が一致することを示す。

行列が正規であるとは \( BB^* = B^*B \) が成立することであるため、この等式を導けばよい。

解答例

\( A,B \in M_n \) とし、\( A \) は非退化であり、さらに \( AB=BA \) および \( A^*B=BA^* \) が成り立つと仮定する。

まず \( A \) が非退化であるから逆行列 \( A^{-1} \) が存在する。よって

AB=BA

より

A^{-1}B = BA^{-1}

が従う。同様に

A^*B = BA^*

が成り立つ。

次にこの式の随伴を取ると

B^*A = AB^*

および

B^*A^* = A^*B^*

が得られる。したがって \( B \) と \( B^* \) はともに \( A \) および \( A^* \) と可換である。

ここで \( BB^* \) と \( B^*B \) を比較する。両者はともに \( A \) および \( A^* \) と可換であり、したがって差 \( BB^* - B^*B \) も同様に \( A \) と \( A^* \) の両方と可換である。

ところが \( A \) は非退化であるため、このような可換関係を満たす行列は 0 行列でなければならない。したがって

BB^* - B^*B = 0

が成立する。

よって

BB^* = B^*B

となる。これは \( B \) が正規行列であることを意味する。


行列解析の総本山

総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました