8.3.問題11
8.3.P11
\( A \in M_n \) を非負行列とする。
(a) \( A \) の特性多項式は次のように因数分解できることを説明せよ。
p_A(t) = (t - \rho(A))\,g(t)
ただし、
g(t) = t^{n-1} + \gamma_1 t^{n-2} + \gamma_2 t^{n-3} + \cdots
ここで \( \gamma_1 = \rho(A) - \mathrm{tr}\,A \) である。したがって、\( \gamma_1 = 0 \) であるのは \( \mathrm{tr}\,A = \rho(A) \) のときに限る。
(b) \( n = 3 \) かつ \( \mathrm{tr}\,A = \rho(A) > 0 \) のとき、\( A \) の固有値は次のようになることを説明せよ。
\rho(A), \quad \pm\sqrt{\dfrac{\det A}{\rho(A)}}
これらの固有値は実数または純虚数である。
(c) 魔方陣(magic square)とは、成分が 1 から \( n^2 \) までの異なる整数で構成され、行・列および主対角線と副対角線の和がすべて等しい \( n \times n \) の正の行列である。 \( A \in M_n \) が魔方陣であるとき、次を説明せよ。
\rho(A) = \tfrac{1}{2}n(n^2 + 1)
このとき、\( \rho(A) \) は \( A \) の固有値であり、特性多項式は次の形で表される。
p_A(t) = (t - \rho(A))(t^{n-1} + \gamma_2 t^{n-3} + \cdots)
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。


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