5.8.問題3
5.8.P3
行列
B_\varepsilon=\begin{pmatrix}1 & -1\\ 1 & -1-\varepsilon\end{pmatrix},\quad \varepsilon>0
について固有値と逆行列を計算し、なぜ \(B_\varepsilon\) が正規でないかを説明しなさい。
\(B_\varepsilon^{-1}\) の形から任意ノルムで \(\kappa(B_\varepsilon)=O(\varepsilon^{-1})\) となることを示し、小さい \(\varepsilon\) で条件数が大きくなることを示しなさい。
一方で固有値の最大・最小絶対値の比は \(\varepsilon\to 0\) で有界であることを確認し、特異値の最大・最小比(すなわちスペクトルノルムに基づく条件数)がどう振る舞うかを考察しなさい。
解説メモ:非正規行列では固有値の比だけでは条件の悪さを判定できない典型例です。逆行列要素の振る舞いが大きなノルムを生みます。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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