4.1.P25
4.1.問題25
\(A \in M_n\) をエルミート行列とし、\(r \in \{1, \ldots, n\}\) とする。このとき、複合行列 \(C_r(A)\) がエルミートであることを説明せよ。
さらに、\(A\) が正定値(または半正定値)ならば、\(C_r(A)\) も正定値(または半正定値)であることを説明せよ。
ヒント
複合行列 \(C_r(A)\) は \(r \times r\) 小行列式からなる行列であり、随伴との関係 \(C_r(A^*) = C_r(A)^*\) が成り立つ。さらに、固有値の関係として、\(C_r(A)\) の固有値は \(A\) の固有値の積で表されることを用いるとよい。
解答例
まず、複合行列の基本性質として \( C_r(A^*) = C_r(A)^* \) が成り立つ。
いま \(A\) はエルミートであるから \(A^* = A\) である。したがって
C_r(A)^* = C_r(A^*) = C_r(A)
となり、\(C_r(A)\) はエルミートである。
次に、\(A\) の固有値を \( \lambda_1, \ldots, \lambda_n \) とする。エルミート行列であるから、これらはすべて実数であり、ユニタリ対角化により \( A = U \Lambda U^* \) と書ける。
このとき、複合行列について
C_r(A) = C_r(U) C_r(\Lambda) C_r(U)^*
が成り立つ。ここで \(C_r(U)\) はユニタリであり、\(C_r(\Lambda)\) は対角行列である。
\(C_r(\Lambda)\) の対角成分は、\(\lambda_{i_1} \cdots \lambda_{i_r}\)(\(1 \le i_1 \lt \cdots < i_r \le n\))であり、これは \(A\) の固有値の積である。
したがって、\(A\) が半正定値であればすべての \(\lambda_i \ge 0\) であるから、任意の積 \(\lambda_{i_1} \cdots \lambda_{i_r} \ge 0\) となり、\(C_r(A)\) は半正定値である。
さらに、\(A\) が正定値であればすべての \(\lambda_i > 0\) であるから、すべての積 \(\lambda_{i_1} \cdots \lambda_{i_r} > 0\) となる。したがって \(C_r(A)\) は正定値である。
以上より、\(C_r(A)\) はエルミートであり、\(A\) の正定値性・半正定値性は複合行列にも引き継がれる。

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