[行列解析3.2.P14]直和行列の相似性と成分行列の相似条件

3.標準形と三角因子分解

3.2.P14

3.2問題14

\( B, C \in M_m \) および正の整数 \( k \) が与えられたとする。\( B \oplus \cdots \oplus B \)(\( k \) 個の直和)と \( C \oplus \cdots \oplus C \)(\( k \) 個の直和)が相似であるのは、\( B \) と \( C \) が相似である場合に限ることを示しなさい。

ヒント

直和 \( B \oplus \cdots \oplus B \)(\( k \) 個)とは、同じ行列 \( B \) を対角ブロックに並べたブロック対角行列である。このような行列のジョルダン標準形は、各ブロックのジョルダン標準形を並べた形になる。

したがって、\( B \oplus \cdots \oplus B \) と \( C \oplus \cdots \oplus C \) が相似であるならば、それらのジョルダン標準形は一致することになる。このとき、各ブロックの構造から \( B \) と \( C \) のジョルダン標準形が一致することを示せばよい。

解答例

まず、\( B \) と \( C \) が相似であると仮定する。このとき、ある可逆行列 \( P \) が存在して \( P^{-1}BP = C \) が成り立つ。

このとき、次のブロック対角行列を考える。

Q =
\begin{bmatrix}
P & 0 & \cdots & 0 \\
0 & P & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
0 & 0 & \cdots & P
\end{bmatrix}

この行列は可逆であり、計算すると

Q^{-1}
\begin{bmatrix}
B & 0 & \cdots & 0 \\
0 & B & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
0 & 0 & \cdots & B
\end{bmatrix}
Q
=
\begin{bmatrix}
C & 0 & \cdots & 0 \\
0 & C & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
0 & 0 & \cdots & C
\end{bmatrix}

となる。したがって \( B \oplus \cdots \oplus B \sim C \oplus \cdots \oplus C \) が成り立つ。

逆に \( B \oplus \cdots \oplus B \sim C \oplus \cdots \oplus C \) が成り立つと仮定する。

相似な行列は同じジョルダン標準形をもつので、両者のジョルダン標準形は一致する。ところが \( B \oplus \cdots \oplus B \) のジョルダン標準形は、\( B \) のジョルダン標準形を \( k \) 回並べたものであり、同様に \( C \oplus \cdots \oplus C \) のジョルダン標準形は \( C \) のジョルダン標準形を \( k \) 回並べたものである。

これらが一致するためには、各ブロックのジョルダン標準形が一致しなければならない。したがって \( B \) と \( C \) は同じジョルダン標準形をもち、よって相似である。

以上より、 \( B \oplus \cdots \oplus B \)(\( k \) 個)と \( C \oplus \cdots \oplus C \)(\( k \) 個)が相似であるのは、 \( B \) と \( C \) が相似である場合に限る。


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