[行列解析8.5.0]定義:原始行列(primitive matrix)

8.5.0 原始行列(primitive matrix)の定義と性質

(8.2.7) の証明を精査すると、最大絶対値の固有値がスペクトル半径以外に存在しないという追加の仮定を設ければ、この証明は非負かつ既約な行列に対しても有効であることがわかる。

この性質は非常に重要であり、次の定義を導く動機となる。

定義 8.5.0(原始行列)

非負行列 \( A \in M_n \) が原始(primitive)であるとは、それが既約であり、かつ最大絶対値をもつ固有値が1つの非零値のみである場合をいう。

原始性(primitivity)の概念は、Frobenius(1912)によって導入されたものである。


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