8.4.問題20
8.4.P20
\( n \ge 2 \) かつ \( A \in M_n(\mathbb{R}) \) とする。
(a) 任意の負の固有値が、\( A^2 \) において代数的および幾何的重複度がともに偶数である理由を説明せよ。
(b) 次の各行列の二乗を計算せよ:
\begin{bmatrix}
0 & 2 \\
-1 & -12
\end{bmatrix}, \quad
\begin{bmatrix}
0 & -1 & 1 \\
0 & 0 & 1 \\
0 & -1 & 0
\end{bmatrix}, \quad
\begin{bmatrix}
0 & 1 & \cdots & 1 & n \\
-1 & 0 & \cdots & 0 & 1 \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\
-1 & 0 & \cdots & 0 & 1 \\
-1 & -1 & \cdots & -1 & -n - 1
\end{bmatrix}
これらのうち、\( A^2 \le 0 \) かつ \( A^2 \ne 0 \) で、いくつかの要素が 0 である例を示すものはどれか。
さらに、\( A^2 \) に 0 の要素を含まず正の要素が1つしかない例を示すもの(およびその \( n \) )を特定せよ。
(c) \( A^2 \le 0 \) ならば、\( A^2 \) が既約でない理由を説明せよ。
(d) \( n \gt 2 \) かつ \( A^2 \) の要素のうち少なくとも \( n^2 - n + 2 \) 個が負であるとき、\( A^2 \) が少なくとも1つの正の要素をもつ理由を説明せよ。
以下の問題群では、非負行列および既約行列に関するペロン–フロベニウスの定理の性質を確認し、固有値・固有ベクトル・随伴行列・トレース極限などの概念を応用していく。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。


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