[行列解析8.3.P8]

8.正および非負行列

8.3.問題8

8.3.P8

\( A \in M_n \) を非負行列とする。前問を利用して、\( A \) が既約であるか、または次のような順列行列 \( P \) が存在することを示せ。

P^T A P =
\begin{bmatrix}
A_1 & * & \cdots & * \\
0 & A_2 & \cdots & * \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
0 & 0 & \cdots & A_k
\end{bmatrix}
\tag{8.3.6}

ここで各対角ブロック \( A_1, \dots, A_k \) は既約であり、場合によっては \(1 \times 1\) の零行列であってもよい。この形を 既約標準形(Frobenius normal form) と呼ぶ。

さらに、次が成り立つことに注意せよ。

\sigma(A) = \sigma(A_1) \cup \cdots \cup \sigma(A_k)

(重複度を含む)。したがって、非負行列の固有値は、零(任意の重複度をもつ可能性がある)および有限個の非零既約非負行列のスペクトルの和集合である。(8.4.6)では、これら既約成分のスペクトルの特別な性質について述べる。なお、既約標準形は一意とは限らない。


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