7.2.2 半正定値行列の累乗も半正定値である
もし \( A \in M_n \) が半正定値であるならば、各 \( k = 1, 2, \ldots \) に対して \( A^k \) もまた半正定値である。
証明
行列 \( A \) の固有値を \( \lambda_1, \lambda_2, \ldots, \lambda_n \) とする。このとき、行列 \( A^k \) の固有値はそれぞれ \( \lambda_1^k, \lambda_2^k, \ldots, \lambda_n^k \) である。
もとの固有値 \( \lambda_i \) がすべて非負であるならば、それらのべき乗 \( \lambda_i^k \) もまた非負である。したがって \( A^k \) も半正定値である。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
コメント