[行列解析6.4]その他の固有値包含集合(Ostrowskiの定理を中心に)

6.固有値の位置と摂動

6.4.目次

  • 6.4.1

6.4.その他の固有値包含集合(Ostrowskiの定理を中心に)

これまでに、ゲルシュゴリン円板(Gersgorin discs)について詳細に議論してきた。

多くの研究者は、このゲルシュゴリン理論の幾何学的な優美さに魅了され、その考え方や方法を一般化して、他の種類の固有値包含集合(eigenvalue inclusion set)を導出してきた。

本節では、そうした拡張のいくつかを取り上げ、これまでに行われてきた研究の概要を示す。

最初に紹介する定理は、Ostrowski によるものであり、ゲルシュゴリン集合と同様に、複数の円板の合併として表される固有値包含集合を与える。

ただし、これらの円板の半径は、行と列のいずれかを削除したときの和の両方に依存して決まる点が特徴である。

この結果には、ゲルシュゴリンの定理における「行版」と「列版」の両方が含まれており、次に示す (6.1.2) 式と (6.1.4) 式の間を連続的に補間する形で、一連の固有値包含集合を与えている。


行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました