[行列解析3.2.P26]可換条件から行列Bが対称となることの証明

3.標準形と三角因子分解

3.2.P26

3.2問題26

\( A, B \in M_n \) が与えられ、\( A^2 \) が非退化であると仮定する。もし \( AB = B^{\top} A \) かつ \( BA = AB^{\top} \) が成り立つなら、\( B \) が対称であることを示せ。

ヒント

条件 \(AB=B^{\top}A\) と \(BA=AB^{\top}\) を組み合わせると、\(A^2\) と \(B\) の間に可換関係が得られる。さらに \(A^2\) が非退化であることから、\(A^2\) と可換な行列は \(A^2\) の多項式として表される。この性質と転置を取る操作を利用すると、\(B\) と \(B^{\top}\) が一致することが導かれる。

解答例

仮定より \(AB=B^{\top}A\) および \(BA=AB^{\top}\) が成り立つ。

まず第1式の左から \(A\) を掛けると

A^2 B = A B^{\top} A

一方、第2式の右から \(A\) を掛けると

B A^2 = A B^{\top} A

したがって両式より

A^2 B = B A^2

が得られる。すなわち \(B\) は \(A^2\) と可換である。

ここで \(A^2\) は非退化であると仮定されている。非退化行列の基本性質より、\(A^2\) と可換な任意の行列は \(A^2\) の多項式として表すことができる。したがってある多項式 \(p(t)\) が存在して

B = p(A^2)

と書ける。

両辺の転置を取ると

B^{\top} = p((A^2)^{\top})

である。また

(A^2)^{\top} = (A^{\top})^2

が成り立つので

B^{\top} = p((A^{\top})^2)

を得る。一方、元の可換条件を用いると \(A^2\) と \(B^{\top}\) も可換であることが分かるため、同様に \(B^{\top}\) も \(A^2\) の同じ多項式で表される。

したがって

B^{\top} = p(A^2)

となる。よって

B^{\top} = B

が従う。すなわち \(B\) は対称行列である。


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