[行列解析3.3.P17]コンパニオン行列と可換行列の構造

3.標準形と三角因子分解

3.3.P17

3.3 問題17

ある行列がコンパニオン行列 \( C \) と可換であるなら、その行列は \( C \) の多項式であることを説明せよ。

ヒント

コンパニオン行列は巡回行列であり、あるベクトルから生成される空間が全体を張る。この性質を用いると、可換な行列はその基底に関して制限され、多項式として表されることが分かる。

解答例

\( C \in M_n \) をコンパニオン行列とする。このとき、標準基底ベクトル \( e_1 \) に対して

e_1,\ Ce_1,\ C^2 e_1,\ \ldots,\ C^{n-1} e_1

は一次独立であり、\( \mathbb{C}^n \) の基底をなす。したがって \( e_1 \) は巡回ベクトルである。

いま \( X \in M_n \) が \( C \) と可換、すなわち \( XC = CX \) を満たすとする。このとき任意の \( k \) に対して \( XC^k = C^k X \) が成り立つ。

特に \( e_1 \) に作用させると、

X(C^k e_1) = C^k (X e_1)

となる。ここで \( X e_1 \) はあるベクトルであり、基底表示により

X e_1 = \alpha_0 e_1 + \alpha_1 Ce_1 + \cdots + \alpha_{n-1} C^{n-1} e_1

と書ける。

したがって任意の \( k \) に対して

X(C^k e_1)
= C^k(X e_1)
= \alpha_0 C^k e_1 + \alpha_1 C^{k+1} e_1 + \cdots + \alpha_{n-1} C^{k+n-1} e_1

となる。これはある多項式 \( p(t)=\alpha_0+\alpha_1 t+\cdots+\alpha_{n-1} t^{n-1} \) を用いて \( X v = p(C)v \) と表されることを意味する。

基底 \( \{e_1,Ce_1,\ldots,C^{n-1}e_1\} \) 上で一致するので、

X = p(C)

が従う。

以上より、コンパニオン行列 \( C \) と可換な行列はすべて \( C \) の多項式として表される。


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