[行列解析3.2.P33]随伴行列の非退化性と元の行列の非退化性

3.標準形と三角因子分解

3.2.P33

3.2問題33

\( A \in M_n \) とする。\( A^* \) が非退化であることと、\( A \) が非退化であることは同値であることを説明せよ。

ヒント

ここで \( A^* \) は行列 \( A \) の随伴行列(共役転置)を表す。重要な事実として、行列式について \( \det(A^*)=\overline{\det(A)} \) が成り立つ。

非退化であることは行列式が 0 でないことと同値である。したがって行列式の関係式を用いれば、\( A \) が非退化であることと \( A^* \) が非退化であることが同値であることが分かる。

解答例

行列 \( A \in M_n \) を考える。行列が非退化であるとは、逆行列が存在すること、すなわち \( \det(A)\neq 0 \) であることと同値である。

まず \( A \) の随伴行列 \( A^* \) を考える。行列式の基本性質より

\det(A^*)=\overline{\det(A)}

が成立する。

したがって \( \det(A)\neq 0 \) ならばその複素共役も 0 ではないので \( \det(A^*)\neq 0 \) である。よって \( A^* \) は非退化である。

逆に \( \det(A^*)\neq 0 \) ならば上の関係式から \( \overline{\det(A)}\neq 0 \) である。複素共役が 0 でないならば元の数も 0 ではないので \( \det(A)\neq 0 \) が従う。したがって \( A \) は非退化である。

以上より

A \text{ が非退化 } \Longleftrightarrow A^* \text{ が非退化}

が成り立つ。


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