[行列解析7.1.6]観察:半正定値行列におけるゼロ二次形式と零化条件

7.1.6 半正定値行列におけるゼロ二次形式と零化条件

観察 7.1.6. \( A \in M_n \) を半正定値行列、\( x \in \mathbb{C}^n \) を任意のベクトルとする。このとき、\( x^{*} A x = 0 \) であるのは、かつその場合に限り \( A x = 0 \) である。

証明

非零ベクトル \( x \) に対して \( x^{*} A x = 0 \) と仮定する。多項式

p(t) = (t x + A x)^{*} A (t x + A x) = t^{2} x^{*} A x + 2 t x^{*} A^{2} x + x^{*} A^{3} x = 2 t \| A x \|_{2}^{2} + x^{*} A^{3} x

を考える。仮定より、\( p(t) \ge 0 \) がすべての実数 \( t \) に対して成立する。しかしもし \( \|A x\|_{2} \ne 0 \) であれば、十分に大きな負の \( t \) に対して \( p(t) \lt 0 \) となり矛盾する。したがって \( \|A x\|_{2} = 0 \) であり、\( A x = 0 \) が従う。


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