7.1.4 正定値・半正定値行列の固有値の性質
観察 7.1.4. 正定値(それぞれ半正定値)行列の各固有値は正(それぞれ非負)の実数である。
証明
正半定値行列 \( A \) の固有値・固有ベクトルの組を \( (\lambda, x) \) とする。このとき、
x^{*} A x = x^{*} (\lambda x) = \lambda x^{*} x
である。したがって、\(\lambda = \frac{x^{*} A x}{x^{*} x} \ge 0\) が成り立ち、これは A が半正定値である場合である。また、A が正定値の場合には \(\lambda > 0\) となる。
行列解析の総本山

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