5.8.問題8
5.8.P8
問題 (5.8.P3) の行列 \(B_\varepsilon\) に対し線形系 \(B_\varepsilon x=[1\ 1]^T\) を考え、真解 \(x=[1\ 0]^T\) と近似解
\hat{x}=\begin{pmatrix}1+\varepsilon^{-1/2}\\ \varepsilon^{-1/2}\end{pmatrix}
をとる。
残差比 \(\|r\|/\|b\| = O(\varepsilon^{1/2})\) だが解の相対誤差 \(\|x-\hat{x}\|/\|x\| = O(\varepsilon^{-1/2})\) となることを示し、相対的に小さい残差でも対応する近似解が大きく間違っている場合があることを確認しなさい。
式 (5.8.10) がどのようにして(小さい)残差を正しい(大きな)上界に変換するか説明しなさい。
解説メモ:残差は小さいが条件数が大きいため誤差が拡大する典型例。(5.8.10) に従えば相対誤差は \(\kappa(A)\) 倍で増幅される。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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