4.5.24定理
定理 4.5.24.
与えられた \(A \in M_n\) に対して、\(A = H + iK\) と表すとき、ここで \(H\) と \(K\) はエルミート行列であるとします。\(B\) を \(A\) の正則部分とし、\(B^{-*}B = B\) とします。このとき次の条件は同値です。
(a) \(H\) と \(K\) は ∗合同によって同時に対角化可能である。
(b) \(A\) は ∗合同によって対角化可能である。
(c) \(A\) と \(A^{*}\) は同じ零空間を持ち、\(B\) は対角化可能であり、かつ \(B\) のすべての固有値の絶対値は 1 である。
演習.
与えられた \(A \in M_n\) に対して、\(r = \mathrm{rank}\, A\) とし、\(A\) と \(A^{*}\) が同じ零空間を持つと仮定します。\(A = V \Sigma W^{*}\) と特異値分解 (2.6.3) するとき、\(V = [V_1 \; V_2]\) で \(V_1 \in M_{n,r}\) とします。このとき、なぜ \(V_1^{*} A V_1\) が ∗合同に関して \(A\) の正則部分となるのか説明してください。
行列の合同 (T 合同) に対しても単純な標準形があります。それは、新しい族の可逆標準ブロックを含みます。
\Xi_k = \begin{bmatrix} (-1)^{k+1} & \cdots & (-1)^k \\ -1 & \cdots & 1 \\ 1 & 1 & \cdots \\ -1 & -1 & \cdots \\ 1 & 1 & \cdots \end{bmatrix} \in M_k, \quad k = 1, 2, \dots \tag{4.5.24}
この族のブロックのうち、サイズが 1 と 2 のものは次の通りです。
\Xi_1 = [1], \quad \Xi_2 = \begin{bmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 1 \end{bmatrix}.
行列の合同標準形に関する定理は次の通りです。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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