4.5.4
定義 4.5.4.
\(A, B \in M_n\) とする。次の条件を満たす非特異行列 \(S\) が存在するとき、次のように定義する。
(a) \(B = SAS^*\) であるとき、\(B\) は \(A\) に対して ∗合同(「スター合同」)または結合的(conjunctive)であるという。
(b) \(B = SAS^T\) であるとき、\(B\) は \(A\) に対して合同、または T合同(「ティー合同」)であるという。
演習.
なぜ合同(あるいは ∗合同)な行列は同じ階数をもつのかを説明せよ。
もし \(A\) がエルミートであるなら、たとえ \(S\) が特異でも \(SAS^*\) もエルミートである。
同様に、もし \(A\) が対称行列であるなら、たとえ \(S\) が特異でも \(SAS^T\) も対称行列である。
通常、関心があるのは行列の型を保存する合同変換である。
すなわち、エルミート行列に対しては ∗合同、対称行列に対しては T合同である。
両方の種類の合同は、相似変換と重要な性質を共有している。
行列解析の総本山

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