[行列解析4.1.P3]エルミート行列の相似とユニタリ相似

4.エルミート行列、対称行列、合同行列

4.1.P3

4.1.問題3

\(A, B \in M_n\) がエルミートのとき、A と B が相似であることとユニタリ相似であることは同値であることを示せ。

ヒント

エルミート行列はスペクトル定理によりユニタリ行列で対角化できる。

すなわち、固有値は実数であり、ユニタリ行列によって対角行列に変換できる。

相似であるなら固有値(重複度込み)が一致することを利用し、それぞれをユニタリ対角化して比較すればよい。

解答例

まず、ユニタリ相似であれば相似であることは明らかである。

実際、\( U \) がユニタリ行列ならば \( U^{-1} = U^* \) であるから、 \( B = U^* A U \) は通常の相似変換の形である。

次に、\( A, B \) がエルミートであり、相似であると仮定する。

\(A,B\)が相似とは、ある非特異行列 \( S \) が存在して \( B = S A S^{-1} \) と書ける事である。

エルミート行列に対するスペクトル定理より、ユニタリ行列 \( U, V \) が存在して

U^* A U = D_A, \quad V^* B V = D_B

と対角化できる。ここで \( D_A, D_B \) は実対角行列であり、それぞれ \( A, B \) の固有値を並べたものである。

相似であることから、\( A \) と \( B \) は同じ固有値(重複度込み)を持つので、 \( D_A \) と \( D_B \) は対角成分の順序を除いて一致する。したがって、適当な置換行列 \( P \) を用いて

D_B = P^* D_A P

と書ける。

以上を用いると、

B = V D_B V^* = V P^* D_A P V^* = (U P V^*)^* A (U P V^*)

となる。ここで \( U P V^* \) はユニタリ行列である。よって \( A \) と \( B \) はユニタリ相似である。

以上より、エルミート行列に対しては、相似であることとユニタリ相似であることは同値である。

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