3.3.P14
3.3 問題14
A =
\begin{bmatrix}
0 & & & & -a_0 \\
1 & 0 & & & -a_1 \\
& 1 & \ddots & & \vdots \\
& & \ddots & 0 & -a_{n-2} \\
0 & & & 1 & -a_{n-1}
\end{bmatrix} \in M_n
\(A\in M_n\) がコンパニオン行列 (3.3.12) のとき、次を示せ:
(a) \(n=2\) の場合、\(A\) は正規であることと \(|a_0|=1\) かつ \(a_1 = -a_0\overline{a_1}\) が同値である。さらに単位行列(ユニタリ)であることは \(|a_0|=1\) かつ \(a_1=0\) と同値である。
(b) \(n\ge 3\) のとき、\(A\) が正規であることは \(|a_0|=1\) かつ \(a_1=\cdots=a_{n-1}=0\)(すなわち \(p_A(t)=t^n-c\) かつ \(|c|=1\))と同値である。
(c) \(n\ge 3\) かつ \(A\) が正規ならば \(A\) はユニタリであり、ある \( \varphi\in[0,2\pi/n) \) が存在して固有値は \( e^{i\varphi} e^{2\pi i k/n},\ k=0,\dots,n-1\) の形になることを示せ。
ヒント
正規行列とは \( A^*A=AA^* \) を満たす行列である。まず \( n=2 \) の場合に直接計算し、その後 \( n\ge 3 \) では成分比較により制約を導く。特にコンパニオン行列の構造から、多くの成分がゼロになる必要があることに注意する。
解答例
(a) \( n=2 \) のとき、
A=
\begin{bmatrix}
0 & -a_0 \\
1 & -a_1
\end{bmatrix}
と表される。これに対して \( A^*A \) と \( AA^* \) を計算すると、
A^*A=
\begin{bmatrix}
1 & -\overline{a_1} \\
-a_1 & |a_0|^2+|a_1|^2
\end{bmatrix},
\quad
AA^*=
\begin{bmatrix}
|a_0|^2 & a_0\overline{a_1} \\
\overline{a_0}a_1 & 1+|a_1|^2
\end{bmatrix}
これらが一致するためには \( |a_0|=1 \) および \( -\overline{a_1}=a_0\overline{a_1} \) が必要十分である。後者は \( a_1=-a_0\overline{a_1} \) と同値である。
さらにユニタリであるためには \( A^*A=I \) が必要であるから、
|a_0|=1,\quad a_1=0
が必要十分である。
(b) \( n\ge 3 \) とする。一般にコンパニオン行列では、下副対角に1が並び、最右列に係数が現れる。\( A^*A=AA^* \) を成分ごとに比較すると、非対角成分の一致条件から
a_1=a_2=\cdots=a_{n-1}=0
が従う。また対角成分の比較から \( |a_0|=1 \) が必要である。
逆にこれらが成り立てば、行列は
A=
\begin{bmatrix}
0 & & & -a_0 \\
1 & 0 & & 0 \\
& \ddots & \ddots & \vdots \\
0 & & 1 & 0
\end{bmatrix}
となり、直接計算により正規であることが確認できる。
(c) (b) の条件のもとでは \( p_A(t)=t^n-c \)(\( |c|=1 \))である。したがって固有値は
\lambda_k = c^{1/n} e^{2\pi i k/n}, \quad k=0,\ldots,n-1
と書ける。ここで \( c=e^{in\varphi} \) と表せば、
\lambda_k = e^{i\varphi} e^{2\pi i k/n}, \quad k=0,\ldots,n-1
となる。
またこのとき \( A^*A=I \) が成り立つため \( A \) はユニタリである。
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