[行列解析3.2.P13]相似に関する消去定理の証明

3.標準形と三角因子分解

3.2.P13

3.2問題13

(相似に関する消去定理)\( A \in M_n \)、\( B, C \in M_m \) とする。このとき、

\begin{bmatrix}
A & 0 \\
0 & B
\end{bmatrix}
\sim
\begin{bmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{bmatrix}

が成り立つのは、\( B \) が \( C \) と相似である場合に限ることを示せよ。

ヒント

相似な行列は同じジョルダン標準形をもつ。

したがってブロック対角行列 \( \begin{pmatrix}A&0\\0&B\end{pmatrix} \) と \( \begin{pmatrix}A&0\\0&C\end{pmatrix} \) が相似であれば、それらのジョルダン標準形も一致することになる。

ブロック対角行列のジョルダン標準形は、それぞれのブロックのジョルダン標準形を並べたものになることを用いる。

したがって、共通の部分 \(A\) を取り除いた残りの部分が一致しなければならず、その結果として \(B\) と \(C\) が相似であることが従う。

解答例

まず

\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & B
\end{pmatrix}
\sim
\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{pmatrix}

が成り立つと仮定する。

相似な行列は同じジョルダン標準形をもつので、両行列のジョルダン標準形は一致する。

ブロック対角行列のジョルダン標準形は、それぞれのブロックのジョルダン標準形を並べたものになる。したがって

J(A)\oplus J(B)
=
J(A)\oplus J(C)

が成立する。

ここでジョルダン標準形の分解は固有値ごとのジョルダンブロックによって一意に定まるので、共通部分 \(J(A)\) を除けば

J(B)=J(C)

が従う。

したがって

B \sim C

である。

逆に \(B \sim C\) であれば、ある可逆行列 \(P\) が存在して

C=P^{-1}BP

となる。このとき

\begin{pmatrix}
I_n & 0 \\
0 & P
\end{pmatrix}^{-1}
\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & B
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
I_n & 0 \\
0 & P
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{pmatrix}

が成り立つので

\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & B
\end{pmatrix}
\sim
\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{pmatrix}

である。

以上より

\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & B
\end{pmatrix}
\sim
\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{pmatrix}
\quad\Longleftrightarrow\quad
B\sim C

が示された。


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