[行列解析3.2.4.1]

3.2.4.1

定義 3.2.4.1. 複素正方行列が非退化(nonderogatory)であるとは、その固有値のそれぞれが幾何重複度 1 をもつ場合をいう。

ジョルダン行列におけるある固有値の幾何重複度は、その固有値に対応するジョルダンブロックの個数に等しい。したがって、ある行列が非退化であるのは、その固有値がそれぞれジョルダン標準形においてちょうど 1 つのブロックに対応する場合に限る。

非退化行列 \( A \in M_n \) の例としては、\( n \) 個の異なる固有値をもつ行列や、ただ 1 つの固有値しかもたず、その幾何重複度が 1 である行列(すなわち、単一のジョルダンブロックに相似である行列)がある。スカラー行列は非退化行列の正反対の存在である。

演習.

\( A \in M_n \) が非退化であるとき、なぜ \(\mathrm{rank}\, A \geq n - 1\) となるのかを説明せよ。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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