[行列解析3.1.P2]2つの零行列のジョルダン標準形

3.標準形と三角因子分解

3.1.P2

3.1問題2

3.0.0)にある2つの行列のジョルダン標準形は何か。

(3.0.0)
A =
\begin{bmatrix}
0 & 1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix},\quad
B =
\begin{bmatrix}
0 & 1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{bmatrix}

ヒント

両行列とも固有値は 0 のみである。したがって、ジョルダン標準形は 0 に対するジョルダンブロックの直和で決まる。各行列について、\( \dim\ker A \)、\( \dim\ker A^2 \) などを計算し、ジョルダンブロックの大きさを決定する。

解答例

まず

A =
\begin{pmatrix}
0 & 1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}

を考える。これは固有値 0 のみをもつ冪零行列である。

\( A^2 = 0 \) であるから、ジョルダンブロックの大きさは高々 2 である。

次に核の次元を求める。\( Ax=0 \) を解くと、

x_2 = 0,\quad x_4 = 0

であるから、自由変数は \( x_1, x_3 \) であり、 \( \dim\ker A = 2 \) である。

したがってジョルダンブロックは 2 個存在する。しかも \( A \neq 0 \) であるから、各ブロックは大きさ 2 である。ゆえにジョルダン標準形は

J(A) = J_2(0) \oplus J_2(0)

である。

次に

B =
\begin{pmatrix}
0 & 1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}

を考える。

計算すると \( B^2 \neq 0 \) であるが、 \( B^3 = 0 \) である。したがって最大のジョルダンブロックの大きさは 3 である。

\( Bx=0 \) を解くと

x_2 = 0,\quad x_3 = 0

となり、自由変数は \( x_1, x_4 \) であるから \( \dim\ker B = 2 \) である。

したがってジョルダンブロックは 2 個である。最大サイズが 3 であることから、ブロックの大きさは 3 と 1 である。

J(B) = J_3(0) \oplus J_1(0)

以上がそれぞれのジョルダン標準形である。


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