[行列解析7.7.P23]

7.正定値および半正定値行列

7.7.問題23

7.7.P23

正定値行列 \(A \in M_n\) を考える。

次を示すことを主張する:

\(\text{Re }A^{-1} \succeq (\text{Re }A)^{-1}\) かつ \(\text{range }(\text{Im }A) \subset \text{range }(\text{Re }A)\)。

(1.3.P20) を参照して詳細を示す。

\(A = A_1 + i A_2\) および \(A^{-1} = B_1 + i B_2\) とし、ここで \(A_1, A_2, B_1, B_2\) は実行列とする。さらに

H = \begin{pmatrix} A_1 & A_2 \\ -A_2 & A_1 \end{pmatrix}, \quad
K = \begin{pmatrix} B_1 & B_2 \\ -B_2 & B_1 \end{pmatrix}

(a) \(H\) はユニタリ相似により \(A \oplus \bar{A}\) に相似であり、したがって \(A\) が正定値であることと \(H\) が正定値であることは同値である。

(b) \(H^{-1} = K\)。

(c) \(\alpha = \{1, \dots, n\}\) とすると \(\text{Re }A^{-1} = B_1 = H^{-1}[\alpha] \succeq (H[\alpha])^{-1} = A_1^{-1} = (\text{Re }A)^{-1}\)。

(d) \(H\) は列包含性を満たす。


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