7.1.17系:半正定値行列と正定値行列の関係
系 7.1.7 半正定値行列が正則であることと、それが正定値であることは同値である。
証明
\( A \in M_n \) が半正定値行列であると仮定する。前の系より、次の命題は互いに同値であることがわかる。
(a) \(A\) は特異(singular)である。
(b) \(Ax = 0\) となる零でないベクトル \(x\) が存在する。
(c) \(x^{*} A x = 0\) となる零でないベクトル \(x\) が存在する。
(d) \(A\) は正定値ではない。
したがって、\(A\) が正則であることと、\(A\) が正定値であることは同値である。
半正定値行列の重要な性質のひとつは、\(*\)合同変換(∗congruence)を施しても、その行列が依然として半正定値のままであるという点である。
行列解析の総本山

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