5.7.問題26
5.7.P26
数値半径は、全ての \(A \in M_n\) および \(m = 1, 2, \dots\) に対してべき不等式 \(r(A^m) \le r(A)^m\) を満たしますが、べき積不等式
r(A^{k+m}) \le r(A^k) r(A^m)
は必ずしも成り立ちません。例として \(A = J_4(0)\)、\(k = 1\)、\(m = 2\) を考えます。この場合:
r(A^2) = r(A^3) = \frac{1}{2}, \quad r(A) \lt 1
となり、べき積不等式が成立しないことが確認できます。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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