[行列解析5.4.16]補題:プレノルムのスカラー倍と順序関係

5.4.16

補題 5.4.16. \( V = F^n \)(\( F = \mathbb{R} \) または \( \mathbb{C} \))上の前ノルム \( f(\cdot) \) および \( g(\cdot) \) が与えられ、定数 \( c > 0 \) が与えられたとする。このとき次が成り立つ:

(a) \( c f(\cdot) \) は \( V \) 上の前ノルムであり、その双対ノルムは \( c^{-1} f^D(\cdot) \) である。

(b) 任意の \( x \in V \) に対して \( f(x) \le g(x) \) が成り立つならば、任意の \( y \in V \) に対して \( f^D(y) \ge g^D(y) \) が成り立つ。

証明:関数 \( c f(\cdot) \) は正、斉次、連続であるため、前ノルムとなる。その他の主張は補題 5.4.12(式 5.4.12a)から従う。

演習:前の補題の証明の詳細を記述せよ。


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