[行列解析5.2.P14]

5.2.問題14

5.2.P14 

\(A \in M_n\) とし、\(A = H + iK\)(ただし \(H, K\) はエルミート)と分解する(式 (0.2.5) 参照)。フロベニウスノルムにおける \(A\) の最良のエルミート近似、すなわちどのエルミート \(X \in M_n\) に対しても \(\lVert A - X_0 \rVert_2^2 \leq \lVert A - X \rVert_2^2\) を満たす \(X_0\) を求めよ。また最良の半正定値近似についても議論せよ。

(a) \(\lVert A \rVert_2^2 = \lVert H \rVert_2^2 + \lVert K \rVert_2^2\) を示せ。

(b) \(X \in M_n\) がエルミートならば、\(\lVert A - X \rVert_2^2 = \lVert H - X \rVert_2^2 + \lVert K \rVert_2^2 \geq \lVert K \rVert_2^2\) であり、等号成立は \(X = X_0 = H\) のときであることを示せ。

(c) \(H = U \Lambda U^{*}\) とし、\(U\) はユニタリ行列、\(\Lambda = \mathrm{diag}(\lambda_1, \ldots, \lambda_n)\) とする。\(X\) が半正定値行列であり、\(U^{*}XU = Y = [y_{ij}]\) とするとき、

\begin{align}
& \lVert H - X \rVert_2^2 \notag 
 = \lVert \Lambda - Y \rVert_2^2 \notag \\
& = \sum_{i=1}^n (\lambda_i - y_{ii})^2 + \sum_{i \neq j} |y_{ij}|^2 \notag
\end{align}

であることを示せ。これが最小化されるのは \(X = X_0 = H^{+}\)(\(H\) の半正定値部分、式 (4.1.12) 参照)のときである理由を述べよ。


行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました