[行列解析4.6.17]系

4.6.17

系 4.6.17. 任意の行列 A ∈ M_n に対して、次が成り立つ。

(a) A = HS(または A = SH)と書け、ここで H はエルミート行列、S は対称行列であり、どちらの因子も非特異に選ぶことができる。

(b) A = BE(または A = EB)と書け、ここで B は実行列に相似であり、E は共反復行列(coninvolutory)である。

証明:(a) 系 4.6.15 を用いて A = SH¯S −1 と書く。ここで S は非特異、H はエルミート行列である。すると

A = (SHS∗)(S−∗ ¯S −1) = (SHS∗)(¯S −T ¯S −1)

となり、A はエルミート行列と非特異対称行列の積として表される。同様に、A = SB¯S −1 と書くと、B は対称行列であり

A = (SS∗)(S−∗B¯S −1) = (SS∗)(¯S −T B¯S−1)

となる。これは非特異エルミート行列と対称行列の積である。因子の順序を入れ替えるには、A = (SST )(S−T H¯S −1) または A = (SBST )(S−T ¯S−1) と書く。

(b) 系 4.6.15 を用いて A = SR¯S−1 と書く。ここで S は非特異、R は実行列である。すると


行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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