4.3.12
系 4.3.12.
エルミート行列 \(A, B \in M_n\) を考える。ここで \(B\) が半正定値であるとする。このとき次が成り立つ。
λ_i(A) ≤ λ_i(A + B), \\ i = 1, …, n
(4.3.13) において、ある \(i\) について等号が成立するのは、\(B\) が特異であり、非ゼロベクトル \(x\) が存在して \(Ax = λ_i(A)x\)、\(Bx = 0\)、かつ \((A + B)x = λ_i(A + B)x\) を満たす場合に限る。
さらに、もし \(B\) が正定値であれば、次が成り立つ。
λ_i(A) \lt λ_i(A + B), \\ i = 1, …, n
証明.
(4.3.4b) で \(\nu = 0\) を用い、直前の演習結果を適用する。もし \(B\) が非特異であれば、(4.3.13) において等号は成立しない。
行列解析の総本山

[行列解析]
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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