3.5.13定理
定理 3.5.13.
\( A, B \in M_n \) を非特異行列とする。次の条件は同値である:
(a) \( M_n \) の置換行列 \( P \) が一意に存在して、\( A \) と \( B \) の両方が \( P \) に三角相似である。
(b) \( A \) と \( B \) が三角相似である。
(c) 階数に関する等式 (3.5.10) が成立する。
証明.
(a) ⇒ (b) は明らかであり、(b) ⇒ (c) は (3.5.11) の直前の演習に対応している。もし
A = L_{1} P U_{1}, \quad B = L_{2} P' U_{2}
が \( LPU \) 分解であり、仮定 (c) を認めるならば、(3.5.9) の記法を用いると、すべての \( p, q \in \{1, \ldots, n\} \) に対して
\operatorname{rank} P[p,q] = \operatorname{rank} A[p,q] = \operatorname{rank} B[p,q] = \operatorname{rank} P'[p,q]
が成り立つ。問題 3.5.P11 により \( P = P' \) が保証され、これにより (a) が従う。
演習.
\( A, P \in M_n \) とする。\( P \) を置換行列とし、\( A \) の主対角成分がすべて 1 であると仮定する。このとき、\( P^{T} A P \) の主対角成分もすべて 1 であることを説明せよ。
最後の定理は、単位三角行列による三角相似に関するものである。この定理は次の事実を用いる:(a) 単位下三角行列の逆行列は単位下三角行列である、(b) 単位下三角行列の積は単位下三角行列である。単位上三角行列についても同様の主張が成り立つ。
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