[行列解析7.8.P7]

7.正定値および半正定値行列

7.8.問題7

\( A = [a_{ij}] \in M_3(\mathbb{R}) \) とし、すべての成分が \( |a_{ij}| \le 1 \) を満たすとする。このとき、 \( |\det A| \le 3\sqrt{3} \) であり、この上限は達成されないことを示す。次の関係式を用いて詳細を説明せよ:

\frac{\partial}{\partial a_{ij}}(\det A) = (-1)^{i+j} \det A[\{i\}^c, \{j\}^c],
\quad
\frac{\partial^2}{\partial a_{ij}^2}(\det A) = 0

もし \( \det A[\{i\}^c, \{j\}^c] = 0 \) ならば、\( \det A \) は \( a_{ij} \) に依存しないので、\( a_{ij} = \pm1 \) としてよい。
一方、\( \det A[\{i\}^c, \{j\}^c] \ne 0 \) であれば、\( -1 \lt a_{ij} \lt 1 \) の範囲内で \( \det A \) は相対的な極値を持たない。したがって、与えられた条件の下で \( |\det A| \) はすべての \( a_{ij} = \pm1 \) のとき最大となる。
\( n = 3 \) の場合、このような行列は有限個しか存在しない。
一般の \( n \gt 3 \) の場合はどうなるか?
また、\( A \) が複素成分をもつ場合、解析関数の最大値原理を用いて、集合 \( \{A \in M_n : |a_{ij}| \le 1\} \) の内部では \( |\det A| \) が最大値をとらないことを示せ。


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