7.6.問題12
半正定値エルミート行列の積の構造とジョルダン標準形
\( A, B \in M_n \) をエルミート行列とし、さらに \( A \) が半正定値であると仮定する。
定理7.6.3によれば、行列積 \( AB \) は次のような直和に相似である。
すなわち、正の対角行列 \( D_{+} \in M_{\pi}(\mathbb{R}) \)、負の対角行列 \( D_{-} \in M_{\nu}(\mathbb{R}) \)、零行列、そして \( J_{2}(0) \)(2×2の冪零ジョルダンブロック)の \( s \) 個のコピーとの直和である。
(a) 定理 (7.6.3) の証明を詳しく調べ、次の関係が成り立つことを示せ。
\pi \le i_{+}(B), \\
\nu \le i_{-}(B), \\
s = \operatorname{rank}(AB) - \operatorname{rank}((AB)^2)
これらの関係は式 (4.5.6) を参照することで確認できる。
ここで \( i_{+}(B) \) および \( i_{-}(B) \) はそれぞれ行列 \( B \) の正および負の固有値の個数を表す。
また \( s \) は \( AB \) のランクとその二乗 \( (AB)^2 \) のランクの差に対応し、ジョルダン標準形における2次の冪零ブロックの個数を意味する。
\(A, B \in M_n\) をエルミート行列とし、\(A\) が半正定値であると仮定する。
定理7.6.3によれば、\(AB\) は正の対角行列 \(D_+ \in M_\pi(\mathbb{R})\)、負の対角行列 \(D_- \in M_\nu(\mathbb{R})\)、零行列、および \(s\) 個の2×2の冪零ジョルダンブロック \(J_2(0)\) の直和に相似である。
(a) (7.6.3) の証明を調べ、
\(\pi \le i_+(B)\)、
\(\nu \le i_-(B)\)、
および \(s = \operatorname{rank}(AB) - \operatorname{rank}((AB)^2)\) を示せ。
(参照:4.5.6)
行列解析の総本山



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