7.2.問題30
7.2.P30
\( A, B \in M_n \) をエルミート行列とする。
(a) \( A \) が正定値である場合、\( AB \) は実対角行列に相似である。
さらに、\( AB \) と \( B \) の正、負、ゼロの固有値の数は一致する。
(b) \( A \) が半正定値かつ特異行列の場合、\( AB \) は必ずしも対角化可能ではない。
例として \( A = \begin{pmatrix}1 & 0 \\ 0 & 0\end{pmatrix} \),
\( B = \begin{pmatrix}0 & 1 \\ 0 & 0\end{pmatrix} \) を考えると、
\( AB \) は非対角化可能である。
(c) \( A \) が半正定値である場合、
\(\mathrm{tr}(AB) = \mathrm{tr}(A^{1/2} B A^{1/2})\) は実数である。
これは \( A^{1/2} B A^{1/2} \) がエルミート行列となるためである。
行列解析の総本山

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